深く心に刻まれる!考えさせられる小説の名言・名文3選をご紹介!

      2019/07/19

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小説で「これは!」と思う文章に出会うこと

それが読書の楽しみの一つでもあります。

 

登場人物のスカッとする名言や

じっくり考えさせられる名文

作品の根底にある重要な文章

それらに出会った時、つい嬉しくなります!

 

 

今回は、心に刺さる・心に刻まれる名言を

厳選して3つ、ご紹介いたします!

 

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考えさせられる小説の名言その① 「優しくなれないようなら、生きるに値しない」

 

 

「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。

優しくなれないようなら、生きるに値しない」

 

こちらはレイモンド・チャンドラーの

・プレイバック(村上春樹:訳)

からです!

 

ハードボイルドの元祖であり、俳優のような顔立ちのチャンドラーさん。

作品はまさしく、憧れるくらいカッコいい世界です。

口が悪いのもご愛嬌。

 

 

探偵フィリップ・マーロウシリーズの長編7作目であり

唯一映画化されていない作品であり遺作でもあるこの作品。

そこにこの名言が出てくるのです。

 

マーロウが女性に、

「あなたのような強い人が、どうしてそんなに優しくなれるの?」

と訊かれての返答が、

「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。

優しくなれないようなら、生きるに値しない」

なのです!

いやー、痺れますね!

 

 

この名言は、実はこのような形で訳されて有名になりました。

それは、

「タフでなければ生きていけない。

優しくなければ生きている資格がない」

です。

この名言は非常に有名ですね。

 

3つ目で紹介する森村誠一さんの

『野生の証明』を映画化した際にも、

キャッチコピーとして引用されています。

(森村先生の作品は別のものをご紹介します)

 

 

ですが、今回は、村上春樹さんの訳から

引用させていただきました。

 

と言いますのも

村上春樹さんは、翻訳する際に

恩師である柴田元幸先生から

「正確に訳すこと」

を教わって守り通しているからです。

 

日本の好きな小説が、海外で変に訳されたりしたら

ガッカリしますもんね。

 

作家の原文を重視する姿勢に敬意を示して

こちらの訳をご紹介しました。

村上さんのプロ意識も、恩師にあたる

柴田先生も、カッコいい!

 

 

 

考えさせられる小説の名言その② 「主よ、あなたは何故、黙っておられるのです」

 

 

「主よ、あなたは何故、黙っておられるのです」

 

こちらは遠藤周作さんの

・沈黙

からの一説です。

 

 

2016年に、あの『タクシードライバー』で有名な

マーティン・スコセッシ監督が

豪華キャストで映画化しましたね。

監督の胸に、ずっとこの小説が

残っておられたそうです。

 

 

キリシタン弾圧の激しい時代の日本に

ポルトガルから宣教師が向かい

そして余りの厳しさを目の当たりにして

この名言が出てきます。

 

 

産まれたときからカトリックの洗礼を受け

神と人について書き続けてこられた遠藤さん。

この小説は宗教がどうこうとか関係なしに、

 

「なぜ神様がいるなら、助けてくれないの?」

「平和な世界にしてくれないの?」

 

と考えたことのある方にオススメです。

 

しかもこの名言は、弾圧を受けている日本人からではなく

熱心な宣教師が呟くのです。

 

この小説にはそれ以外にも名言が多くあり、

胸をぐさりぐさりとされ、

深く考え込むこと間違いなしです。

 

果たして「主」は「沈黙」したままだったのか……

ラストは読みにくいかもしれませんので

映画で再確認という方法もございます。

ほとんど原作準拠の名作ですよ。

 

 

ノーベル文学賞の候補にもなりましたが

当時は『沈黙』と『スキャンダル』の二作が

選考委員から受け入れられなかったのだとか。

 

 

エッセイでは軽妙でアホなことを書く

狐狸庵(こりあん)先生として有名ですが

小説では深く追求するプロ中のプロ。

 

そんな遠藤さんと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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考えさせられる小説の名言その③ 「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」

 

 

「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」

 

こちらは森村誠一さんの

・人間の証明

からです!

 

正確には、西条八十さんの「ぼくの帽子」という

詩からの引用ですので、作者オリジナルの名言ではないのですが

この文章が、物語のキーとなっております。

 

エレベーター内で死亡した黒人青年の忘れ物が、

『西条八十詩集』

という所からストーリーが展開されていきます。

 

 

実は、森村さんがこの詩に出会ったのは大学生時代。

当時、将来への不安などもあり

一人旅で山登りを続けていた日々。

 

閑散とした山道で、

ふと宿屋が用意してくれた弁当を開けると

包み紙にこの詩が載っていたとのこと。

 

そして激しく感動していたのですが

二十数年後に、角川春樹さんから執筆依頼を受けた際に

この詩を思い出します。

 

あとがきで書かれておられるのですが、

「ああ、麦わら帽子よ、お前はそこから出たいのか。

ずいぶん長い間閉じ込めていたね」

と胸の中で眠っていたその詩に語りかけたそうです。

 

 

ミステリーであり、ヒューマンドラマでもある

『人間の証明』が、今の形でできあがったのは

作者である森村誠一さんの誠実さと愛情、

そして情熱が合わさったからだと思います。

 

きっと、森村さんの心の温かさに

「ぼくの帽子」が喜んで、すっぽりと

心の中に納まっていたのだと考えています。

 

 

まとめ

 

 

いかがだったでしょうか。

作家のカラーが前面に出た名言たち。

 

芥川賞だけじゃない!名作に出会うためにチェックしておきたい小説賞!

 

その作家じゃないと書けない・引用できない

ものばかりです。

 

ぜひ、お気に入りの一節を見つけてくださいね。

ではまた!



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